岳沢〜奥穂高〜北穂高 DAY,1 9/24

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またまた北アルプスに行ってきました。
以下長いですがどうぞ。

8月、悪天候の涸沢で舐めた悔しさ。
出発一週間前から天気予報を眺める日々。

六甲縦走とはわけが違う。
しかもソロだ。
充分わかっているだけに緊張と興奮が高まる。

緊張と興奮で穂高ソロハイクは始まった。

PM10:00
例によってさわやか信州号で上高地へ出発。
満席の予感が外れて乗車率60%ほど。
まだ紅葉には早いからだろうか。

AM04:00
平湯温泉で時間調整のため停車。
暗闇の中でハイカーが数人既に準備万端でうごめいている。

AM06:00
沢渡で低公害バスにトランジットして
定刻通り上高地バスターミナル着。
人が少なく閑散としている。

おにぎりを食べ、
ハイドレーションのパッキングに手間取っているうちに
同乗者は誰も居なくなってしまった。

焦ってスタートして
河童橋でスレッチをしていない事に気付く。

一度パックを降ろして落ち着いてストレッチをして奥穂を見上げる。
今回登る岳沢の先に辛うじて奥穂が見えるか見えないか。

天気は回復の予感。
気合いとともに再スタート。

AM06:51
岳沢登山口、
いきなり深い森に入る。

前後には誰も居ない。
風がなく、物音は時たま聞こえる鳥の声と
歩を進める度にたつ足音、布ずれの音、パックの軋みの音のみ。

30分ほどで天然クーラー着。

気温が低いためか特に冷風は感じない。

前後に人の気配はないが、
前日の雨で濡れたトレイルに新しい踏み跡を発見。
先行者が居るみたいだ。

時折左手に沢が臨めるが、
濃いガスの中の荒々しい沢は不気味だ。


ガスが掛かるだけで色々な物が不気味に見える。


相変わらず人に出会わず
人工物にほっとする。

ここで沢を渡るのだが、
トレースのない岩場では
足下ばかりを見ていてはルートを失う。
落ち着いて先を見てルートを確認する。

AM08:49
雪崩で崩壊し、
8月に再建されたばかりの岳沢小屋着。
トイレを借りたが登山客の姿はなかった。

ここを過ぎると急登で有名な重太郎新道に入る。

突然明るくなったと思ったらガスから抜けていた。
この日初めてテンション上がる。

でも、
風がないのにガスは音もなくすーっと追うように迫って来る。

今回初のハシゴ。
高度感があり緊張した。

ハシゴを越えてしばらくするとガスを完全にまいた。
西穂方面がクリアに見える。

振り返ると上高地は完全にガスの下。

高度が上がるにつれて、
トレイル両側が切れてきた。

AM11:36
雷鳥広場着。
雷鳥の姿は見えないが前方に先行者の気配が。

ここから前穂高への分岐点、紀美子平まで登りがキツくて
写真を全く撮っていなかった。
紀美子平で先行パーティーに追いつく。
台湾から来た10人ほどの大きなパーティーだった。

前穂はパスして先を急ぐ。
これから進む吊尾根の全貌を拝む。
尾根をトラバースするトレイルがうっすらと見える。

ここから先は目的地の奥穂が丸見えだ。
目的地が見えるのはありがたいが、
進めども進めども近づいて来ないのは辛い。

トレイルは各所でかなりザレている。


来た道を振り返る。
前穂が見える。

この頃から首筋から後頭部にかけて鈍痛が走り始め、
息も切れてきた。
10歩歩いては深呼吸を繰り返す。
喉がひゅーひゅーと鳴る。

完全に稜線に乗った。
両側が切れ落ちているのでさすがに身がすくむ。

涸沢側を覗き込むと小屋とヒュッテが綺麗に見える。
お盆に来た時に比べるとテントが格段に少ない。

北穂も見えてきた。
その先に見えるのは槍ではないのか?
初めて見る槍に興奮と感動を覚える。

そして西穂方面を見れば、
ジャンダルムではないですか!
更に興奮が高まる。
来るとこまで来た感じだ。

奥穂ピーク。
目視してからなかなか遠かったが、
いよいよ近づいて来た。

こんなに歩いて来たのか。
ああ、雲が滝の様に流れてるよ。

PM14:11
奥穂高岳山頂着。

山頂に着くなりおばちゃんに捕まり、
「お兄ちゃんさっき前穂登ってたね。ザック背負ったままで頑張ったね〜」
「それ、ぼくじゃないです。。。」

結局何故かおばちゃんの旦那さん?と祠の前で記念撮影。

奥穂ピークよりジャンダルムを臨む。
何人かの人影がピークに見える。

みんなでわいわいと記念撮影をした後、
自然とみんなで穂高岳山荘へと。

今日はテン場空いている。
涸沢も空いているし、
シーズンの中だるみだろうか。
山荘の先には明日進む予定の涸沢岳が。

PM15:03
穂高岳山荘着。
早速テン場を確保。
サイズがぴったりで一国一城の主みたいだ。
夕陽、ご来光をテントでまったり見ようと、
飛騨側、信州側ともに展望が臨める所を選んだ。
相変わらずほぼ無風ですぐにテントを張れた。

小屋で受付を済ませて表に出ると
バスの同乗者が。
涸沢から上がって来て、
明日は奥穂に行くと言う。

頭がひどく痛いが、
リフィルのチキンラーメンを作る。
前穂が目の前に。

小腹が満たされた後は
まったりとテントから景色を楽しむつもりが
猛烈な吐き気に襲われる。
濃い味のチキンラーメンがいけなかったか
高山病がきたのか。

たまらずシュラフに潜り込んで横になる。

そしてそのまま深い眠りに。。。

風がはたはたとテントを揺らす気配で目を覚ますと
辺りは既に薄暗い。
しまったと跳ね起きるが、
既に夕陽のピークは過ぎた後。。。

それでもなんだか凄い夕陽だ。
今の時点でこれなら余程綺麗だったんだろうな。
三脚持ってたのに手持ちで撮って手ぶれしてるし。。。

意気消沈、
頭痛も吐き気もひどいので
さすがに夕飯を食べる食欲はわかず、
もう寝る事にする。

今日はよく歩いた。
そういえばバスでは3時間ほどしか眠れなかったなあ。

今回のひとつの目的である穂高岳山荘テント泊を
実現出来たことに満足しつつ眠りについた。

PM18:30
就寝

二日目へつづく